オペラ 『リゴレット in ジャパン』

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2006年9月16日

カテゴリー : オペラ 会場:新宿文化センター 大ホール

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

 G・ヴェルディ作曲「リゴレット」の舞台設定を、日本文化に置き換えた「リゴレット in ジャパン」が上演された。 深見東州のアイディアで、リゴレットは公爵に仕える宮廷道化師から、武家に仕える狂言師〈詈業劣徒(リゴレット)〉という設定におきかえられ、深見東州が演じた。


オペラ『リゴレット in ジャパン』

G・ヴェルディ作曲「リゴレット」全三幕 字幕付き原語上演

出演

詈業劣徒(リゴレット):深見東州
慈流多(ジルダ):大貫裕子
漫兎魔(マントヴァ公爵):大間知覚
須腹付血礼(スパラフチーナ):劉月 明
魔多麗菜(マッダレーナ):イリアナ・ボドナラス
悶諦牢寝(モンテローネ伯爵):栗林義信
知恵腐乱脳(チェプラーノ伯爵):斉木健詞
チェプラーノ伯爵夫人:小林菜美
丸老(マルッロ):松尾健市
棒折左(ボルサ・マッテーオ):田代 誠
助姥汝(ジョヴァンナ):西川裕子
小姓:財津廣根
役人:今井俊輔
ジルダ子役(多摩ファミリーシンガーズ):渡辺桃可

指揮:山上純司
管弦楽:東京ニューフィルハーモニク管弦楽団
合唱:リゴレット in ジャパン合唱団

序曲

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

オペラ 『リゴレット in ジャパン』


劇中に何度も登場する「呪い」のテーマに導かれた、悲劇を暗示した序曲。幼き頃のジルダと亡くなったジルダの母。鳥かごの鳥は、ジルダを象徴する。
この救いようのない結末をなんとか打破できないものか、深見東州が日本文化で咀嚼して、見事「滅びの美学」へと昇華させた、リゴレット史に残る演出である。

第1幕

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

オペラ 『リゴレット in ジャパン』


マントヴァ公爵の宮廷では、舞踏会が行われている。そこには、獅子舞や女性の胸をデフォルメしたおみこしまで登場する。深見東州と演出家のコラボレーションによる、新演出です。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

マントヴァ公爵(大間知覚氏)が、生活信条である愛の自由を謳歌する「あれかこれか」を歌う。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

マルッロ(松尾健市氏)の「リゴレット(深見東州)が情婦を囲っている」というニュースに、驚くボルサ(田代誠氏)と廷臣たち。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

夫の目前でチェプラーノ伯爵夫人を口説くマントヴァ。チェプラーノ伯爵夫人(小林菜美氏)

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

オペラ 『リゴレット in ジャパン』


深見東州のアイディアで、リゴレットは公爵に仕える宮廷道化師から、武家に仕える狂言師という設定に。
プロの能楽師である深見東州の完璧な所作、そして完璧な演技、新しいリゴレット像が生み出される。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

「リゴレット」のテーマである“呪い”を歌う悶諦牢寝(モンテローネ)伯爵。
オペラ界の重鎮、栗林義信氏が圧倒的な存在感で演じられた。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

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モンテローネの呪い……。これ以降、リゴレットの脳裏から離れなくなる。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

殺し屋スパラフチーレ(バス)とリゴレット(バリトン)との二重唱。
スパラフチーレはリゴレットを呼び止め、自分は殺し屋と名乗る。
スパラフチーレは、中国国立歌劇舞劇院の団員、劉月明氏。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

リゴレットのモノローグ。
「彼は剣で、俺は舌で人を殺める同類だ」(2人は同じ)
リゴレットが自分の身のみじめさを嘆き、廷臣たちを憎む劇的なモノローグ。
深見東州は、完璧なヴェルディバリトンで歌い上げた。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

リゴレットとジルダ(大貫裕子氏)の二重唱「娘よ、おまえは私のもの」
リゴレットにとって、唯一の慰めは娘ジルダの成長。情愛に満ちた美しい二重唱である。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

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リゴレットは、乳母のジョヴァンナ(西川裕子氏)に、娘の純潔を守ってくれと頼む。しかし、そこへ学生に変装したマントヴァ公爵が潜り込む。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

二重唱の途中、孤独で醜い自分を愛してくれたと、亡き妻を偲んで歌う時、舞台上には幼い頃のジルダの姿が浮かぶ。その忘れ形見であるジルダは、まさにリゴレットの命であり、全ての生き甲斐なのだった。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

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神社(原作では教会)で出会った大学生が、実は公爵とは知らぬジルダは、彼に恋心を抱き、愛の二重唱「あなたは心の太陽だ」が歌われる。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

ジルダが独り、バルコニーで歌う「慕わしき人の名は」。
大貫氏の歌う華麗なコロラトゥーラの部分では、あまりの美しさに、ため息が出るほどであった。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

ジルダをリゴレットの情婦と勘違いした廷臣たちは、復讐のためにリゴレットを騙し、ジルダをさらう。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

ジルダをさらうのは、なんと忍者たち。これも深見東州のアイディアで実現したのです。この徹底したこだわりは、日本人の観客はもちろん、海外のオペラ通のお客様まで、驚きと感動でうならせ、楽しませました。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

だまされたリゴレットの絶望!!!圧倒的な迫力のうちに、第1幕は閉じる。

第2幕

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

「ほほにかかる涙が……」ジルダが誘拐されたと知り、彼女の身を心配して歌う。この歌は、公爵が真の愛情を持っているとしか思えない一面を垣間見せる。


オペラ 『リゴレット in ジャパン』

左から、ボルサ、チェプラーノ(斉木健詞氏)、マルッロ。ジルダを誘拐したのが、自分の廷臣たちと知り、いつもの好色漢に戻るマントヴァ。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

「ラ、ラ、ラ」軽やかではあるが、弦が悲痛に響く前奏にのって、完璧な狂言師の所作でリゴレットが現れる。そして、ジルダの行方を知ろうと、道化を演じて様子を窺う。
リゴレットは「俺の娘だ!! 娘を返せ」と叫び、名アリア「悪魔め、鬼め」を歌う。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

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リゴレットのアリア「悪魔め、鬼め」。
娘を返せと怒り、呪い、最後は廷臣たちに懇願して歌われる。
強烈な劇的表現力と完璧な発声、美しい声、高いところから低い音まで響く声、そしてスタミナが要求される名アリア。写真からもわかる、その表現力と歌声に、全観客は鳥肌が立ち、真に感動した。
6キロ以上の衣裳をつけ、最後は正座して歌う。この歌い方は、リゴレット史上初めてである。頭についた風車が揺れ、かえって涙を誘った。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

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奥の部屋より走り出てきたジルダは、すでに、マントヴァの慰み者になったあとだった。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

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リゴレットは、廷臣たちの退出を懇願する。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

2人きりになった父娘。ジルダは公爵との出会いと愛情をリゴレットに打ち明ける「いつも日曜に教会(神社)で」を歌う。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

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牢獄に連行されるモンテローネが、「公爵には呪いも届かない。悪運の強い奴」と罵って去る。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

「いや、復讐は私がしよう」と誓い、「やめて」と懇願するジルダを、憤りながら振り払うリゴレット。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

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第2幕終幕。
激情的な二重唱で幕となる。
ここでは、普通は2人が退場するだけの場面であるが、深見東州は、この幕 切れで、能の決意を表す型を決め、一枚の絵のような、素晴らしい幕切れとなった。

第3幕

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

テノールが歌う最も有名な曲のひとつ「女心の歌」。サングラスをしたマントヴァが歌う。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

スパラフチーレの宿を訪れたマントヴァは、その妹マッダレーナまで口説こうとする。マッダレーナ(イリアナ・ボドラナス氏)。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

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リゴレットはジルダに公爵の実像を見せて、諦めさせようとする。
この後、リゴレット、ジルダ、マントヴァ、マッダレーナの4人による、それぞれの心情を歌った四重唱が歌われる。「リゴレットの四重唱」と呼ばれ、重唱の中の最高傑作と言われている作品である。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

スパラフチーレにマントヴァ殺しを依頼するリゴレット。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

スパラフチーレは、マントヴァの隙を窺う。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

マントヴァにほれたマッダレーナは、マントヴァを殺さないでと兄に願う。スパラフチーレは、「真夜中までに宿泊客が来たら身代わりにしよう」と決める。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

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父の命令に背き、ジルダは公爵の身を心配して舞い戻る。そこで、公爵殺しの話を聞き、自らが身代わりになることを決心する。
ジルダ、マントヴァ、マッダレーナの3人による、緊迫した三重唱が歌われる。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

嵐のシーン。このあと、ジルダは2人に殺される。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

スパラフチーレから、公爵の死体の入った袋を受け取ったリゴレット。重苦しい独白のあと、復讐の喜びに震える。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

 しかし、あろうことか、その時マントヴァの「女心の歌」を歌う声が……

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

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愕然としたリゴレットが、袋を開けるとなんと、そこには命より大切な娘ジルダが……。悲痛な叫びに、観客は涙にむせび泣く。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

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ジルダは、愛する公爵に対する許しを請い、「天国のお母様のそばで祈ります」と歌う。
救いようのない結末も、日本文化で咀嚼すると必ず救いがあるはず……。
深見東州の情熱は、全く新しい結末を生んだ。鳥かごから抜け出して、自由になった小鳥のように。まるで、月の世界に帰っていくような、幻想的なラストシーンが生まれたのである。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

「あの呪いだー」。悲痛な叫びで幕が下りる。この瞬間、怒濤のごとく大きな拍手が、客席だけでなく、舞台上からも起こった。

オペラ 『リゴレット in ジャパン』

終演後、出演者、スタッフとともに。
「一回で終わるのは本当にもったいない……。」
観客はもちろん、出演者もそう思った新しいリゴレット。
そのリゴレットを、見事に演じ切った深見東州に、出演者からも大きな拍手が送られた。

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